スタッフブログ
前橋
いよいよ冬本番が訪れたようです。
本日の出勤時の外気温(車の温度計)は-1℃でした。
群馬の山々もうっすら白いものが残るようになっています。
この時期になるとうっとうしいのがガラスの結露です。
『コムハウスの住宅なら結露な無いですね』と聞かれる事があります。
私の答えは『条件次第で結露は起きます』と言っています。
『もっとも窓を流れる様な結露は無いと思いますが』と続けます。
今年になって実際にお客様から結露が出た旨連絡が有りました。
もっともお客様は原因をご存知でしたので対策を施し現在は快適とのことです。
こちらのお客様の場合は、換気を個別換気にして設計しました。
一般的には24時間集中換気システムをお取り付けしていますが、
今回のお客様はエンジニアの方でしたので、換気が室内の熱を捨ててしまう事を
ご理解いただき最低限の換気で済ます個別形24時間換気をご採用いただきました。
要はトイレ。洗面。などの臭いや水蒸気を出す部屋に
壁付けの換気扇を取り付け24時間回していただくものです。
今回、2階のトイレに取り付けました換気扇の音が大きく寝室で
寝ていると我慢なら無いので消したとの事で、換気量不足が原因でした。
対策として普段の回転が小さくて音の静かな換気扇に変えました。
この換気扇は優れ物で人がトイレに入ると自動で強運転になってくれます。
しばらくすると普通運転に戻ります。
このようにいくら3重ガラス窓を装備しても条件しだいで結露は起こってしまいます。
結露を考える時の先ず頭に入れておいて欲しいことは、水蒸気の粒子の大きさです。
水蒸気の粒子は0.04ミクロンぐらいと言われています。
インフルエンザウィールスが0.03ミクロン程度だそうです。
ちなみに花粉フィルターの穴は20ミクロンです。
ですから絶対に目に見えません。
やかんの口から出ている白い煙は水蒸気ではなく、
水蒸気が結露して水滴になった物なのです。
この様に小さな粒子なのですが、機関車を動かす様な圧力を持て居るので、
小さな隙間からどこへでも移動して均衡になろうとします。
そこで寒い部屋でも暖かい部屋でも水蒸気の量が同じに成ろうとします。
しかし、冷たい空気と暖かい空気では水蒸気の持っていられる量が違います。
30℃の空気の飽和水蒸気量が約30g/Lですがこの空気を
10℃に下げると飽和水蒸気量は約10g/L になってしまいます。
持ちきれなくなった空気は水蒸気を結露として20g/L放出します。
窓などに結露が多い理由は、窓のカーテンに有ります。
カーテンで仕切られた窓ガラスとカーテンの隙間の水蒸気量は居間と同じになります。
中の空気は窓ガラスで冷やされて温度が下がります。
水蒸気を持ちきれなくなった空気は窓ガラスの結露を放出して行きます。
結露して水蒸気量が飽和に成っても居間の暖かい空気から
水蒸気はどんどん供給されるので結露が止まりません。
お部屋同士でも同じ事が起きてきます。
居間は20℃で快適ですが、トイレは10℃なら必ず窓ガラスが結露します。
先ほどの窓ガラスの結露はカーテンを空けて空気の温度を高くすれば結露は止まります。
(カーテン無しだと室温はどんどん下がるので暖房を強くする必要がありますが)
お部屋同士も同様で寒い部屋を無くせば結露も無くなってきます。
そして換気ですが人間が生活すると水蒸気を発生させます。
1日12L程度とも言われています。
この余分な水蒸気を出来るがけ放出する役割も担っています。
常備換気をする事で室内の水蒸気の量を減らすことで結露防止に大きく役立ちます。
結論は寒い部屋を作らない事と適当量の換気だと思います。
まだ、ガラスの結露なら良いのですが、壁体内の結露は家の寿命を減らします。
十分な換気にはご注意ください。
余談ですが、灯油を燃やすストーブは1Lの灯油から1Lの水蒸気を発生させます。
エアコンの方が結露防止ででは良いと思います。
勿論高気密の住宅では燃焼系開放型のストーブはご法度です。
詳しくは小冊子をご用意していますのでお読みください。
永井
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